脂肪肝と聞くと、「お酒をたくさん飲む人の病気」「自分には関係ない」と思っている方も少なくありません。
しかし実際には、自覚症状がないまま進行しやすく、気づいたときにはすでに肝臓に負担がかかっているケースも多いのが現実です。
本来は若いうちからの食生活が将来の健康を左右するといわれていますが、高齢になってからでも、食事の整え方次第で脂肪肝は十分に改善が期待できます。
今回は、脂肪肝と食事の深い関係や、糖質を控え、たんぱく質を意識することで元気に動ける体を守る方法をわかりやすく解説します。
運動が苦手な方や、高齢になって食事量が減ってきた方でも、今日から無理なく取り組める改善のポイントをご紹介します。
🟦 脂肪肝は「自覚症状がないまま進む」沈黙の病気
そのため、多くの人が気づかないまま進行してしまう「沈黙の病気」といわれています。
実際、日本人の約4人に1人が脂肪肝ともいわれ、決して珍しい病気ではありません。
脂肪肝を放置すると、やがて糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞・認知症など、命に関わる生活習慣病のリスクを高めてしまうことも分かっています。
「症状がないから大丈夫」と思っている間に、静かに体の中で負担が積み重なっているのです。
🟦 脂肪肝は「食事」を変えるだけでも改善が期待できる
運動によって消費されるエネルギーはそれほど多くはなく、私たちの体は主に基礎代謝によって多くのエネルギーを使っているからです。
とくに脂肪肝の改善においては、日々の食事内容がダイレクトに肝臓の脂肪のたまり方に影響します。
実際、ご飯の量をたった15%減らすだけでも、肝臓にたまった脂肪は減りやすくなることが分かっています。
極端な食事制限をする必要はなく、ほんの少し量を調整するだけでも体はきちんと反応してくれるのです。
ただし、注意したいのが糖質を減らすだけではエネルギーが不足してしまうという点です。
糖質を控えた分、体に必要なエネルギーや筋肉の材料を補うためにはたんぱく質をしっかりと摂ることが欠かせません。
たんぱく質は、満足感を得やすく、血糖値の急上昇を抑えながら、筋肉の材料にもなる重要な栄養素です。
糖質を減らすときこそ、たんぱく質を意識して取り入れることが脂肪肝改善への第一歩になります。
🟦 筋肉が増えると「基礎代謝」が上がって脂肪肝は太りにくくなる
呼吸をする、心臓を動かす、脳を働かせる、体温を保つといった、生きていくために欠かせない働きのほとんどは、運動をしていなくても常にエネルギーを消費しています。
実は、日常で消費されるエネルギーの大部分は基礎代謝によるものです。
基礎代謝を自分の努力で高められる、ほぼ唯一の臓器が「筋肉」です。
肝臓や脳などの臓器は大きく発達させることができませんが、筋肉だけは食事と生活習慣によって維持・増強することができます。
そして、筋肉はブドウ糖を大量に消費する最大のエネルギー消費装置でもあります。
筋肉量が多いほど、糖は脂肪としてため込まれにくくなり、結果として肝臓に脂肪がたまりにくい体へと変わっていくのです。
ところが、筋肉は加齢とともに自然に減少していきます。
20代をピークに、意識して対策をしなければ年々筋肉量は落ちていき、基礎代謝も低下します。
基礎代謝が落ちると、同じ量を食べていても太りやすくなり、脂肪が肝臓にたまりやすくなるため、脂肪肝は進みやすくなります。
高齢者や食が細くなっている人ほど、筋肉の材料となる栄養が不足しやすく、注意が必要です。
🟦 たんぱく質不足が「脂肪肝・フレイル・サルコペニア」を招く
以下の悪循環が、知らないうちに体の中で起こっていきます。
- たんぱく質が不足する
- 筋肉の材料が足りず、筋肉量が減少する
- 筋肉が減ることで、基礎代謝が低下する
- エネルギーを消費しにくい体になる
- 同じ食事内容でも、内臓脂肪や脂肪肝が進みやすくなる
悪循環の結果、高齢者に多くみられるのがフレイル(虚弱)とサルコペニア(加齢による筋肉減少)です。
疲れやすい、歩くのが遅くなる、体重が減る、活動量が減るなど、心身の衰えが重なった状態
年齢とともに筋肉量が低下する状態
これらの原因の中心にあるのが筋肉量の低下です。
筋肉が減ると、転倒・骨折のリスクが高まるだけでなく、脂肪を燃やす力そのものが弱まり、脂肪肝の改善もしにくくなります。
また、多くの高齢者の方は「しっかり食べているつもり」「食事量は足りている」と感じていても、実際には次のような食事になりがちです。
- パンや麺類など、糖質中心の食事が多い
- 肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質源が少ない
- 結果として、たんぱく質が慢性的に不足している
さらに高齢期は、若い頃に比べて消化・吸収の力そのものも低下しやすくなります。
そのため重要なのは、以下の2点です。
・少量でも、効率よく体に吸収される形でたんぱく質を補うこと
脂肪肝とフレイルの両方を防ぐため、単にたんぱく質の摂取量を増やすのではなく、確実に筋肉の材料となる形で補いましょう。
🟦 ズボラでもできる「脂肪肝対策5つの習慣」
(出典:『ズボラでもラクラク! 1週間で脂肪肝はスッキリよくなる』 三笠書房 知的生きかた文庫 )
脂肪肝対策というと、「運動を頑張らなければならない」「食事管理が大変そう」と感じる人も多いかもしれません。
しかし、脂肪肝は日常のちょっとした習慣を変えるだけでも十分に改善が期待できます。
特別な運動をしなくても、今日からすぐ取り入れられる5つの習慣をご紹介します。
- 食事は「野菜 → たんぱく質 → 炭水化物」の順で食べる
最初に野菜、次に肉・魚・卵などのたんぱく質を摂り、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。
血糖値の急激な上昇は脂肪肝の悪化につながるため、食べる順番を変えるだけでも大きな意味があります。 - ご飯をたった15%減らす
脂肪肝の改善には、極端な糖質制限は必要ありません。
いつものご飯をほんの少し減らすだけでも、肝臓にたまる脂肪は減りやすくなります。
「少なすぎてつらい」と感じるほど減らす必要はなく、無理のない範囲で調整することが続けるコツです。 - ご飯1杯の代わりに、糖質の少ない肉・魚・卵を選ぶ
糖質を減らした分は、たんぱく質でしっかり補うことが大切です。
ご飯を1杯減らした分を、肉・魚・卵などに置き換えることで、満足感を保ちながら、筋肉の材料もしっかり確保できます。 - よく噛むことで、血糖値上昇と認知症リスクを抑える
よく噛んでゆっくり食べると、血糖値の急上昇を防ぐだけでなく、脳への刺激が増えて認知症予防にもつながるとされています。
噛む回数を意識するだけでも、脂肪肝対策と同時に健康全体を支えることができます。 - 高カカオチョコで血液ドロドロ対策
カカオポリフェノールが豊富な高カカオチョコレートは、血液をサラサラに保つ働きが期待できる食品です。
食べすぎには注意が必要ですが、適量を上手に取り入れることで、脂肪肝だけでなく血管の健康にも役立ちます。
これらはすべて、特別なことではなく、普段の生活の中で簡単に続けられる習慣ばかりです。
頑張る対策ではなく、続けられる対策を積み重ねることが脂肪肝改善への近道になります。
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🟦 食事だけで足りない日は「プロテイン」で無理なく補う
「昔ほどたくさん食べられなくなった」「少し食べただけでお腹がいっぱいになる」という方も多いでしょう。
そのため、1日3食をきちんと食べているつもりでも、必要なたんぱく質量を満たせていない人は少なくありません。
たんぱく質は、筋肉を維持し、基礎代謝を支え、脂肪肝やフレイルを防ぐために欠かせない栄養素です。
しかし、毎食十分な量の肉や魚、卵や大豆製品をそろえるのは、体力的にも、調理の面でも負担になることがあります。
そんなときに役立つのが、プロテインを活用したたんぱく質補給です。
私が監修・開発した医食同源プロテインは、高齢の方でも毎日続けやすいように、消化・吸収のやさしさと飲みやすさに配慮して設計しています。
食事量が少ない日や、たんぱく質が不足しがちな日に、無理なく栄養を補う心強いサポートとしてお役立ていただけます。
🟦 まとめ|糖質オフ+たんぱく質で「肝臓と筋肉を同時に守る」
糖質を控え、その分をたんぱく質でしっかり補うことで、肝臓に脂肪がたまりにくくなるだけでなく、筋肉量の維持にもつながり、基礎代謝の低下を防ぐことができます。
筋肉は年齢とともに自然に減っていくため、意識して守っていかなければ、脂肪肝だけでなく、フレイルやサルコペニアといった高齢期特有のリスクも高まってしまいます。
反対に、たんぱく質をきちんと補い、筋肉を支える生活を続けていくことで、太りにくく、疲れにくく、元気に動ける体を保つことができます。
毎日の食事だけで十分なたんぱく質を摂るのが難しい日は、プロテインを上手に取り入れて“不足分を補う”という考え方も、無理なく続けるための現実的な方法です。
肝臓と筋肉の両方を守るために、まずは今日の食事から、「糖質を少し控えて、たんぱく質を意識する」ことから始めてみましょう。