※本コラムは、『PHP 2024年11月増刊号:80歳でも若くて元気な人の習慣』(PHP研究所)に掲載された内容のうち、医食同源プロテイン監修医・たんぱく質を合成する肝臓の専門医である栗原毅先生の記事を中心に、関連資料も参考にしながら、わかりやすく再構成したものです。
「血圧が高めですね」「血糖値に注意しましょう」と健康診断などで言われ、少し不安になったことはありませんか。
今は特に困った症状がなくても、このままでいいのか気になる人は多いはず。
年齢のせいだから仕方がない、と考えてしまうこともあるでしょう。
高血圧や高血糖は放置すると体に負担をかける一方で、毎日の食事や生活習慣を見直すことで整えられる余地がある状態です。
薬に頼る前に、まずは仕組みを知り、自分でできる対策をお伝えします。
今回は、高血圧・高血糖が起こる理由をわかりやすく解説し、食事を中心とした改善の考え方を紹介します。
80歳からも元気に過ごすために、今日からできることを一緒に確認していきましょう。
🟦 高血圧・高血糖は放置すると危険なサイン

高血圧や高血糖がやっかいなのは、ほとんど自覚症状がないまま進行してしまう点です。多少数値が高くても、痛みや不調を感じにくいため「まだ大丈夫」「年のせいだから」と見過ごしてしまう人も少なくありません。
しかし、高血圧や高血糖の状態が続くと、血管に少しずつ負担がかかり続けます。
血管の内側が傷つき、硬くなっていくことで動脈硬化が進行しやすくなる状態に。
動脈硬化が進むと、血液の流れが悪くなり、体に必要な酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。
その結果、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる重大な病気を引き起こすリスクが高まるのです。
これらの病気は、ある日突然起こることも多く、日常生活に大きな影響を及ぼします。
だからこそ、高血圧・高血糖は「症状がないから大丈夫」ではなく、早い段階からケアすることが大切です。
🟦 薬に頼る前に知っておきたい本当の原因

高血圧や高血糖と診断されると、薬による治療が始まります。
薬を飲めば数値は下がりますが、これは一時的に症状を抑える対症療法にすぎません。
原因そのものを見直さなければ、根本的な改善にはつながらないのが現実です。
高血圧・高血糖の背景には、肥満、運動不足、ストレス、生活習慣の乱れといった日々の積み重ねがあります。
食べすぎや偏った食事、体を動かさない生活、気づかないうちにたまる緊張や疲れ。
こうした要因が重なり、体に負担をかけていきます。
裏を返せば、生活習慣を見直すことで自分自身で整えられる余地があるということ。
薬に頼らずに解決できることがあります。
薬に頼る前に、まずは日々の過ごし方に目を向けることが大切です。
🟦 高血圧の基本|血圧が上がる仕組みと食事のポイント

(出典:『PHP 2024年11月増刊号:80歳でも若くて元気な人の習慣』PHP研究所)
高血圧を改善するには、まず「血圧がなぜ上がるのか」を理解しておきましょう。
血圧は血液の量や血管の状態に左右され、食事の内容でも変化します。
血圧の基本と塩分についてを整理します。
🔹血圧とは?
血圧とは、血液が流れるときに血管の壁にかかる圧力のこと。
心臓が血液を送り出すたびに、血管の内側には一定の力が加わります。
この圧が強くなりすぎた状態が、高血圧と呼ばれます。
血圧は、血液の量や血管の状態と深く関係しています。
体内の血液量が増えたり、血管が加齢や生活習慣の影響で硬くなったりすると、血液が流れにくくなります。
その結果、血管の内側にかかる圧力が高まり、血圧が上がりやすくなります。
🔹塩分で血圧が上がる仕組み
食事で塩分を多くとると、体は塩分濃度を薄めようとして水分をため込みます。
水分量が増えると血液の量も増え、血管にかかる負担が大きくなります。
この流れが、血圧上昇につながる原因です。
そのため、高血圧の食事対策として重要なのが減塩。
塩分を1日1グラム減らすことで、上の血圧が約1mmHg下がるといわれています。
少しずつでも塩分を控える意識が、血圧を整える第一歩です。
🟦 家庭血圧を知ることが改善の第一歩

高血圧対策では、病院で測る血圧だけでなく、自宅で測る家庭血圧を知ることが大切です。病院では緊張して血圧が高く出ることもあり、普段の状態を正しく反映しない場合があります。
家庭血圧は、5〜7日ほど測定した平均値で判断します。
目安は、上の血圧が135mmHg以上、または下の血圧が85mmHg以上の状態です。
この数値が続く場合、高血圧と診断されます。
血圧は、測らなければ変化に気づけません。
毎日の数値を知ることで、自分の体の状態が見えてきます。
測ることが、血圧を管理する第一歩。
食事や生活習慣を見直すきっかけとして、家庭血圧の測定を習慣にしていきましょう。
🟦 高血糖の基本|血糖値が上がる仕組み

(出典:『PHP 2024年11月増刊号:80歳でも若くて元気な人の習慣』PHP研究所)
高血糖を理解するには、まず血糖値の仕組みを知ることが大切です。
血糖値は食事内容や食べ方の影響を受けやすく、知らないうちに上がり続けてしまうことがあります。
血糖値が体の中でどのように変化するのか、また高い状態が続くと何が起こるのかを整理します。
🔹血糖値とは?
血糖値とは、血液の中に含まれるブドウ糖の量を示す数値です。
ご飯やパン、麺類などの糖質をとると、胃や腸で分解され、ブドウ糖となって血液に入ります。
このときに上昇するのが血糖値です。
食後に血糖値が上がると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンには、ブドウ糖を全身の細胞へ運び、エネルギーとして使わせる働きがあります。
この仕組みがうまく機能することで、血糖値は自然に下がっていくのです。
🔹高血糖が続くとどうなるか
糖質の多い食事が続いたり、インスリンの働きが弱くなったりすると、血糖値が高い状態のままになりやすくなります。
この状態が続くことを高血糖と呼びます。
高血糖を放置すると、糖尿病へ進行するリスクが高まります。
さらに、血管への負担が増え、全身の健康に影響を及ぼすおそれも。
症状が出にくいからこそ、早めに気づき、生活を見直すことが重要です。
🟦 あなたは大丈夫?糖尿病リスクチェック

高血糖は、自覚症状がないまま進行することが多い状態です。そのため、気づかないうちに糖尿病へ近づいているケースも少なくありません。まずは、日常生活を振り返りながら、当てはまる項目がないか確認してみましょう。
糖尿病リスクチェック
以下の項目で、1つでも当てはまるものがある場合は注意が必要です。
□ 体を動かす機会がほとんどない
□ 肥満気味である(BMIが23以上)
□ 家族や親戚に糖尿病の人がいる
□ 日常的にストレスを感じやすい
□ 食事で糖質や炭水化物の割合が多い
□ 疲れやすさを感じることが増えた
□ 【女性】妊娠中に妊娠糖尿病を指摘されたことがある
□ 【女性】大きめの赤ちゃんを出産した経験がある
□ 【女性】膀胱炎や膣カンジダをくり返したことがある
当てはまる項目があるからといって、すぐに病気というわけではありません。
ただし、今の生活を見直すサインと受け止めることが大切です。
早めに食事や運動を整えることで、将来のリスクを下げることにつながります。
🟦 まとめ|高血圧・高血糖は食事から改善できる

(出典:『PHP 2024年11月増刊号:80歳でも若くて元気な人の習慣』PHP研究所)
高血圧や高血糖は、症状が出にくい一方で、放置すると重大な病気につながるおそれがあります。
しかし、原因の多くは日々の生活習慣にあり、食事の内容や向き合い方を見直すことで改善を目指せます。
血圧や血糖値は、薬だけに頼らなくても、自分でコントロールできる余地があります。
- 減塩を意識する
- 糖質のとり方に気を配る
- 毎日の血圧の数値を知る
こうした小さな積み重ねが、体を守る力になります。
無理な制限や特別なことを始める必要はありません。
今日の食事から少し意識を変えることが、80歳からも元気でいるための第一歩です。