肝臓を守るお酒の飲み方|高たんぱく・発酵食品で健康的にアルコールを楽しむコツ

※本コラムは、医食同源プロテインの監修医・たんぱく質を合成する肝臓の専門医である栗原毅先生の著書『健康にいいお酒の飲み方』 (パワームック)および関連著作の内容を参考に、肝臓を守りながらお酒を楽しむためのポイントをわかりやすく再構成したものです。


お酒を楽しむ時間は、気分転換やコミュニケーションの大切なひとときです。
しかし、年齢とともに「以前より酔いやすくなった」「翌日に疲れが残りやすい」といった変化を感じる人も少なくありません。
肝臓の働きが落ちやすくなる高齢期には、飲み方や食べ合わせを少し工夫するだけで、体への負担が大きく変わってきます。

本コラムでは、アルコールの分解に関わる肝臓の仕組みから、高たんぱく・低糖質のおつまみ、発酵食品の取り入れ方、飲まない日の食事まで、肝臓を守るための実践的なポイントをまとめました。
“何を飲むか”より“どう飲むか”を知っておくことで、お酒を無理なく楽しめる体づくりに一歩近づきます。
健康的な飲み方を習慣にしながら、これからも心地よい時間を過ごしていきましょう。

🟦 肝臓を守るお酒の飲み方とは?

お酒は、嗜む量や飲み方によっては心のリフレッシュにつながりますが、飲み方を誤ると肝臓に大きな負担をかけてしまいます。
シニア世代は、代謝機能が若い頃よりも低下しているため、「どう飲むか」 が健康維持に大きく影響します。
まずは、アルコールが体の中でどのように処理されているのかを理解することが大切です。

🔹 アルコールはどのように体で分解されるのか

アルコールの分解の大半は肝臓で行われ、アルコール脱水素酵素(ADH) や アルデヒド脱水素酵素(ALDH) が中心となって処理にあたっています。
これらの酵素がアルコールを無害な物質へと段階的に変換していく仕組みです。
ただ、この酵素の働きには個人差があります。
年齢を重ねるにつれ酵素の量や働きが落ちやすく、若い頃と同じ量を飲んでも酔いやすくなったり、体に残る負担が大きくなったりするのはそのためです。
さらに、アルコール分解の過程では活性酸素が発生し、肝細胞の疲労や炎症につながることもあります。
こうした背景を踏まえると、シニア世代にとっては 「どれだけ飲むか」よりも「どのように飲むか」 が健康を左右するポイントと言えるでしょう。

🔹 健康的に飲むために知っておきたいポイント

健康的にお酒を楽しむには、いくつかの基本を押さえておく必要があります。


  • 空腹で飲まない
    食べ物が入っていない状態で飲むと、アルコールの吸収が早まり肝臓への負担が急増します。
  • 適量を守る
    厚生労働省の基準では、1日の純アルコール量は男性20g、女性はそれ以下が目安とされています。高齢者はさらに少量を意識しましょう。
  • 水分をこまめにとる
    アルコールには利尿作用があるため、脱水が進むと悪酔いの原因になります。「お酒1杯につき水1杯」を心がけましょう。

無理な我慢をする必要はありません。
大切なのは、肝臓と上手につき合いながら楽しむ工夫を続けることです。

🟦 高たんぱく・低糖質を意識した“肝臓にやさしい”おつまみ選び


(出典:『健康にいいお酒の飲み方』 パワームック)

お酒を飲むときに何を食べるかは、肝臓への負担を左右する大切なポイントです。
特に意識したいのが 「高たんぱく・低糖質」 の組み合わせ。
これは単なる流行ではなく、アルコール代謝の仕組みに大きく関わっています。

🔹 糖質がアルコール分解を妨げる理由

アルコールと糖質を一緒にとると、肝臓は“アルコールの処理”と“糖の代謝”を同時にこなす必要が出てきます。
しかし、処理能力には限界があるため、糖質の量が多いほどアルコール分解が後回しになり、酔いが長引いたり、悪酔いにつながったりします。

糖質とアルコールを同時にとることで血糖値が急上昇し、翌日のだるさや強い空腹感の原因にも。
飲酒時の「シメのラーメン」で調子が悪くなるのは、この働きが関係しています。

飲む機会が多い人ほど、糖質を控えめにしたおつまみを選ぶだけで、体の負担が大きく変わってきます。

🔹 たんぱく質は肝臓の働きを助ける“材料”になる

肝臓は、アルコールを分解するために多くの酵素を消費します。
その酵素の材料になるのが、肉・魚・卵・大豆製品などに含まれる たんぱく質 です。
おすすめは以下の食材です。

豚肉 ビタミンB1が豊富で代謝のサポートに役立つ
青魚(鮭・ブリなど)
赤身魚(マグロ・カツオなど)
白身魚(タイ・ヒラメなど)
良質なたんぱく質。
青魚・赤身魚は抗酸化作用のある成分も含む
卵・大豆製品 消化がよく、胃腸が弱い方でも取り入れやすい

「飲む日の夜だけ意識する」ではなく、普段の食事からたんぱく質を確保しておくと、肝臓も働きやすい状態を保てます。

🔹 ビタミンB群を含む食材で代謝をサポート

アルコールの分解過程では、ビタミンB群が大量に消費されます。
ビタミンB1・B2・B6 はエネルギー代謝に欠かせない存在で、不足すると疲労感が抜けにくくなることも。
ビタミンB群を豊富に含む食材として、以下が挙げられます。

  • 豚肉
  • うなぎ
  • 鮭・ブリ・サバ
  • アサリ
  • にんにく
  • にんにくの芽・ネギ類

お酒の席でもとても合理的な以下の一品は、アルコール代謝を助けるビタミンB群とたんぱく質を一度にとれる「鬼に金棒」メニューです。

・肉野菜炒め
・餃子
・にんにくの芽と豚肉の炒めもの
・アサリの酒蒸し
・サバの塩焼き
・ぶりの照り焼き
・まぐろや白身魚の刺身

体が受ける負担を少しでも軽くしたいとき、ビタミンB群とたんぱく質の組み合わせを意識するといいでしょう。

🟦 発酵食品が“飲酒による負担”を軽くする理由

発酵食品は、お酒を飲む方にとって心強い味方です。
「なぜ発酵食品がいいのか?」を理解しておくと、おつまみ選びの幅がぐっと広がります。

🔹 発酵食品は腸内環境を整え、肝臓の負担軽減に役立つ

腸と肝臓は“腸肝相関(ちょうかんそうかん)”と呼ばれる密接な関係にあります。
腸内環境が乱れると、肝臓に届く血液の質にも影響し、肝臓の働きが鈍りやすくなることが知られています。

ここで力を発揮するのが発酵食品。
乳酸菌や酵母などが腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。

腸の状態が整えば、肝臓の負担も軽くなる。
まわり回って、アルコールの分解をスムーズに進める助けにもなっていきます。

お酒の席に「チーズ」や「漬物」「豆腐」などが合う理由には、こうした背景も隠れています。

🔹 チーズ・豆腐・漬物が“お酒に強い体づくり”に向いている理由

発酵食品の中でも、お酒と相性がよいものはいくつかあります。


  • チーズ
    たんぱく質が豊富で腹持ちがよく、アルコールの吸収をゆるやかにする働きも期待できます。
  • 豆腐
    大豆由来のたんぱく質が肝臓の材料となり、胃腸に負担をかけずに取り入れられる点が高齢の方にも適しています。
  • 漬物
    乳酸菌が腸内環境を整え、脂っこい料理が多い飲酒時の食事バランスを調和してくれます。

どれも手軽に取り入れやすく、味のクセも少ないため、お酒との組み合わせに悩む必要がありません。
「何を頼もうかな」と迷ったときは、この3つを覚えておくと重宝するはずです。

🟦 噛みごたえのある食材で食べすぎを防ぐ

お酒の席では、「気づいたら食べすぎていた」という状況が起こりやすいものです。
そこで役に立つのが、噛みごたえのある食材。
咀嚼の回数が自然と増え、満腹感を得やすくなるため、食べ過ぎの防止にひと役買ってくれます。

🔹 焼き鳥・ナッツ・ビーフジャーキーが向いている理由

飲みながらつまむ料理として、焼き鳥やナッツ、ビーフジャーキーは非常に優秀です。
それぞれ特徴があり、共通して“満腹感を得やすい”というメリットがあります。


  • 焼き鳥(特にもも・むね・ささみ)
    たんぱく質が豊富で、噛む回数が増えることで胃がゆっくり満たされていきます。味付けを控えめにすれば、余計な糖分や塩分を避けることが可能です。
  • ナッツ類
    適度に硬さがあり、少量でも満足感を得られるのが魅力です。脂質は多めですが、良質な脂が中心なので、食べ過ぎに注意すればお酒のお供として優秀な存在になります。
  • ビーフジャーキー
    噛む回数が非常に増えるため、早食いを防ぎ、自然とペースを落とすことにつながります。塩分が気になる場合は、少量ずつ楽しむのがちょうどいいでしょう。

噛む回数が増えるほど、脳に「満腹のサイン」が届きやすくなります。
その結果、食事全体の量が抑えられ、肝臓に加わる負担も軽くなるという仕組みです。

“何となく食べてしまう”クセがある人ほど、噛みごたえのあるおつまみを最初に選んでおくと、食べ過ぎを自然に防げます。

🟦 お酒を飲まない日こそ“肝臓ケア”のチャンス

肝臓は、休みなく働き続けている臓器です。
だからこそ、飲酒がない日は肝臓が回復する大切なタイミングに。
「飲まない日の食事」は、実は飲む日以上に肝臓の状態を左右する要の時間です。

🔹 飲酒がない日の食事こそ整えたい理由

お酒を飲まない日は、肝臓がアルコール分解から解放されます。
このタイミングで負担の少ない食事を心がけると、肝機能の回復がスムーズに進みやすくなります。

胃腸にやさしいたんぱく質 卵、大豆製品、白身魚、鶏胸肉、ヨーグルト
発酵食品 チーズ、豆腐、漬物、納豆、ヨーグルト
野菜 ほうれん草、小松菜、キャベツ、ブロッコリー、にんじん、きのこ類
海藻類 わかめ、ひじき、昆布、海苔

こうした“肝臓を助ける食材”を中心にすると、肝細胞の回復が促されます。

反対に、飲まない日に糖質や脂質の多い食事に偏ると、休むはずの肝臓がまた別の仕事を抱えてしまうことに。
飲酒量が多い人ほど、飲まない日のリセット習慣が体調維持の鍵になります。

🔹 日常の食習慣で肝臓は変わる

肝臓は“沈黙の臓器”といわれるように、不調があってもなかなか自覚症状が出ません。
そのため、毎日の食事や生活習慣の積み重ねがダイレクトに影響していきます。

・高たんぱくな食事を意識する
・発酵食品を日常的にとり入れる
・糖質を摂りすぎない
・よく噛んで食べる

こうした小さな心がけを続けるだけでも、肝臓は確実に応えてくれます。

“お酒を飲む日だけ頑張る”のではなく、飲まない日にも体を整えておく。
その積み重ねが、結果的に「飲んでも疲れにくい体」をつくることにつながるわけです。

🟦 まとめ|肝臓を守りながら、アルコールを健康的に楽しむために

お酒は飲み方や食べ合わせ次第で、肝臓への負担が大きくも小さくも変わります。
シニア世代はアルコール分解に必要な酵素が減りやすいため、「どれだけ飲むか」よりも「どのように飲むか」が体調維持の鍵です。

たんぱく質や発酵食品、ビタミンB群を含む食材や噛みごたえのある食材を日常的に取り入れておくことで、飲む日・飲まない日のどちらでも肝臓をいたわることが可能です。
無理のない範囲で続けることが、結果として「お酒を楽しんでも疲れにくい体」につながります。

🔹 “不足しがちな栄養を補う”ためにできる工夫

お酒を飲む習慣がある人や食事量が減りやすいシニア世代は、どうしてもたんぱく質やビタミン類が不足しがちになります。
食材からしっかり摂るのが理想ですが、体調や食欲によって毎日完璧に整えるのは難しい日も出てきます。

そんなときは、無理なく続けられる補い方をひとつ持っておくと安心です。
とくに、肝臓の材料にもなる“良質なたんぱく質”を手軽に摂れる方法として、プロテインを補助的に取り入れるのは有効です。

食事で不足した分を少しだけ補う。
それだけでも、肝臓の負担はずいぶん軽くなります。

私が監修している「医食同源プロテイン」も、まさにその視点から開発しているものです。
必要に応じて、毎日の食事と合わせて役立てていただければと思います。

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