脂肪肝は万病のもと|沈黙の臓器である肝臓を守ろう

※本コラムは、医食同源プロテイン監修医・たんぱく質を合成する肝臓の専門医である栗原毅先生の著書『肝臓大復活:100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』(東洋経済新報社)および関連資料を参考に、わかりやすく再構成したものです。


肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、多少ダメージが進んでいても症状が出にくい臓器です。
そのため、健康診断で指摘されるまで気づかず、気がつけば脂肪肝が進行していた…という人も珍しくありません。

近年、脂肪肝は単なる生活習慣の乱れではなく、糖尿病や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、がんなど、多くの重大な病気へつながる 万病のもと として注目されています。

今回は、脂肪肝が危険視される理由や放置した際に起こる悪影響などについてわかりやすく解説します。

沈黙のまま進行する脂肪肝を早期に理解し、今日からできる肝臓ケアを意識することで、未来の健康を守る第一歩になります。

🟦 脂肪肝は放置されやすい“沈黙の臓器トラブル”

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど、症状がほとんど出ません。
どれだけ脂肪が蓄積していても、痛みも不調も感じにくいのです。
そのため、健康診断で数値を指摘されたり、症状が出たりして初めて「え?肝臓が悪いの?」と気づく人が多くいます。

しかし脂肪肝は、放置していい状態ではありません。
肝臓に脂肪がたまることは、多くの病気の出発点になると世界的に注目されるようになってきたからです。

もっとも、肝臓専門医である栗原毅先生にしてみれば「いまさら感がある」そうです。
というのも、先生は30年以上前から脂肪肝の危険性を訴え続けています。
それだけ、医療の現場では以前から問題視されていたにもかかわらず、一般には「たいしたことない」と見過ごされてきたという背景があります。

🔹 名称変更(MASLD/MASH)で再注目されている


(出典:『肝臓大復活 100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』東洋経済新報社)


脂肪肝はアルコールを飲む人がなる、肥満が原因といったイメージが強く、以下の2つに分類されていました。

・アルコール性
・非アルコール性(NAFLD/NASH)

しかし近年、脂肪肝は飲酒の有無より「代謝の異常」が深く関係していることが明らかになってきました。
糖質のとりすぎ内臓脂肪の増加など、メタボリック(代謝性)な問題が背景にあるケースが急増しているのです。
そのため、2024年に日本肝臓学会などが名称変更を発表しています。

・MASLD(マッスルディー)
代謝障害が関わる“脂肪肝”(メタボリックな病態)
・MASH(マッシュ)
幹細胞が炎症を起こした“脂肪肝炎”

アルコールを飲む・飲まないに関係なく、肝臓に脂肪が蓄積し代謝機能に問題が生じている状態を「脂肪肝」として扱う方向に整理されたわけです。
言い換えると、脂肪肝はメタボリックな生活習慣の中で進行し、静かに肝臓へ負担をかける現代病ともいえます。

この名称変更をきっかけに、脂肪肝の危険性が再び注目されています。

🔹 自覚症状がほとんどない理由

肝臓には痛みを感じる神経がほとんどありません。
ダメージを受けていても気づきにくいのはそのためです。

さらに、肝臓は自力で修復しようと働く臓器
多少傷んでも症状が出ず、静かに悪化していきます。

「なんとなくだるい」「疲れがとれない」
こうした曖昧な不調だけで見逃され、気づいたときには病気が進んでいるケースもあります。

🔹 日本で脂肪肝が急増する背景

いま脂肪肝は、日本でも急増しています。

  • 糖質中心の食生活
  • お菓子や甘い飲み物の習慣
  • 運動不足
  • 加齢による代謝低下

背景には、このような多くの要因があります。

また近年は、痩せていても脂肪肝になる人が増加。
アルコールを飲まない人にも多くみられます。
つまり見た目では判断できず、誰にでも起こり得る沈黙の臓器トラブルなのです。

気づいたときには病気が進んでいた…
そんなリスクを防ぐためにも、今から肝臓ケアを意識していく必要があります。

🟦 なぜ 万病のもと と言われるのか

脂肪肝は「たいしたことない」と思われがちですが、実は多くの病気の出発点になることが分かっています。
肝臓に脂肪がたまると、血糖値・血液・血管の働きに静かに悪影響が広がっていきます。
その結果、時間をかけて命に関わる重大な病気へと進行します。

ここでは、代表的な悪影響を見ていきましょう。

🔹 糖尿病を引き起こすメカニズム

脂肪肝が続くと、肝臓の代謝機能が低下し、血糖値のコントロールがうまくできなくなります。
食事で糖質をとったあと、血糖値が急上昇し、その糖を処理しようとインスリンが大量に分泌されます。
しかし――

  • インスリンが効きにくくなる
  • 糖が脂肪へ変換されやすくなる   という状態が起こり、悪循環に陥ります。

この「インスリン抵抗性」が進むと、高血糖が続く、膵臓が疲弊するといった状態が積み重なり、糖尿病へ進行していきます。
脂肪肝と糖尿病は切っても切れない関係にあり、放置すれば相互に悪化していくのです。

🔹 動脈硬化・がん・認知症にまで広がる悪影響

脂肪肝によって作られた中性脂肪は、肝臓にとどまらず血液中にも流れ出します。
すると、以下のトラブルが起こります。

  • 血液がドロドロになる
  • 血管の内壁が傷つく

この状態が続くことで、

  • 動脈硬化
  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 高血圧   といった重大疾患につながっていきます。

さらに近年は、

  • 乳がん
  • 大腸がん
  • 膵臓がん   などのリスク因子のひとつとしても注目されています。

脳の血流悪化が認知症につながることも分かってきており、まさに 脂肪肝は万病のもと といわれるゆえんです。

🔹 糖質過多と内臓脂肪の影響

脂肪肝というと「お酒の飲みすぎ」をイメージしがちですが、近年は糖質のとりすぎが大きな原因と考えられています。
肝臓は余った糖を中性脂肪に変えて蓄えます。

  • 白米、パン、麺類など主食が多い
  • 甘い飲み物やおやつが習慣化
  • 食後の血糖値が高い

こうした生活が続くと、内臓脂肪が増えて肝臓にも脂肪が入り込みやすくなります。
糖質過多の食生活は、見た目の太さに関係なく、肝臓に負担をかける大きな要因なのです。
だからこそ、脂肪肝は気づかないうちに進行し、多くの病気へと静かにつながっていきます。

🟦 脂肪肝は10年後に重大な病気を招く

(出典:『肝臓大復活 100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』東洋経済新報社)


脂肪肝は、「いま元気だから問題ない」という病気ではありません。
恐ろしいのは、悪化がゆっくり進むため、気づいた頃には重大な病気へとつながっているケースが多いという点です。

研究では、脂肪肝を放置すると約10年後に糖尿病を発症しやすいというデータも示されています。
静かに進行するからこそ、早めの対策が欠かせません。

🔹 血糖値の悪化とインスリン抵抗性

脂肪肝が続くと、肝臓の代謝機能が低下し、血糖値のコントロールが乱れはじめます。
食後に血糖値が上がっても処理しきれず、高血糖状態が続くことに。
そうなると、体はインスリンを大量に分泌します。
ところが――

  • インスリンが効きにくくなる
  • 糖が脂肪として蓄積しやすくなる   という状態に陥り、負のスパイラルが始まります。

この状態が長く続くと

・高血糖 → 血管の損傷
・インスリン過剰 → 膵臓の疲弊

という一連の流れが進み、糖尿病の入り口に立ってしまうのです。

🔹 膵臓・血管・心臓・脳への負担

脂肪肝による高血糖と血管トラブルは、気づかないうちに全身へ悪影響を広げていきます。

膵臓:インスリンを出し続け疲弊
血管:中性脂肪で内壁が傷つく
心臓:血管が狭くなり心筋梗塞のリスク
脳 :血流が悪化し脳梗塞や認知症リスク

もはや肝臓だけの問題ではありません。
脂肪肝は全身の血管トラブルの起点となり、命に関わる病気へと静かに進んでいきます。

「今は何も感じない」からこそ要注意。
早い段階で気づくことが、未来の健康を守る第一歩です。

🟦 脂肪肝には年代差がある

(出典:『肝臓大復活 100歳まで食・酒を楽しむ「強肝臓」の作り方』東洋経済新報社)


脂肪肝は、どの年代にも起こり得る病気です。
しかし、発症しやすいタイミングには男女差があります。

肝臓の病気というと年配者だけの問題と思われがちですが、実は働き盛りこそ注意が必要です。

🔹 男性は30〜40代がピーク

統計では、男性は30代〜40代で脂肪肝が一気に増えます。

  • 仕事のストレス
  • 会食や飲み会の増加
  • 運動不足
  • 食事の偏り

このような背景が影響していると考えられます。

さらにこの年代は、血糖値や肝機能の値が悪くなり始める頃。
「症状がないから大丈夫」と油断していると、10年後の50代で糖尿病や動脈硬化に悩まされることになりかねません。

🔹 女性は閉経後の50〜60代に急増

女性の場合は、脂肪肝のピークが男性より10〜20年遅れます。
理由は、女性ホルモン(エストロゲン)が関係しています。
エストロゲンは脂質代謝を助ける働きがあり、閉経後に分泌が急激に減ることで、

  • 脂質が増えやすくなる
  • 内臓脂肪がつきやすくなる
  • 血糖値が上がりやすくなる   という体の変化が起こります。

そのため、閉経後の50〜60代で脂肪肝が急増するのです。

「昔は細かったから大丈夫」「お酒を飲まないから関係ない」
そんな女性にも広く起こり得るトラブルだといえるでしょう。

年齢とともに代謝は落ちていきます。
だからこそ年代ごとの変化を知り、早めの対策が大切です。

🟦 今日からできる肝臓ケアと食生活

脂肪肝は生活習慣の積み重ねで進行します。
裏を返せば、今日からの習慣で改善を目指せる病気でもあります。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、肝臓に負担をかけない食事と生活を続けることです。

🔹 まずは糖質の摂りすぎを見直す

脂肪肝の大きな原因は、糖質の摂りすぎです。
ご飯、パン、麺類、甘い飲み物やお菓子など、毎日の何気ない習慣が肝臓に脂肪をため込みます。

糖質は肝臓で中性脂肪に変わるため、

  • お腹いっぱいまで食べない
  • 甘い飲み物を減らす
  • 主食の量を調整する   といった小さな工夫が改善につながります。

体型に関係なく、痩せている人でも脂肪肝になるので要注意です。

🔹 肝臓修復にはたんぱく質が必要

肝臓は日々のタンパク質を材料に修復されています。
ところが高齢になると、

  • 食が細くなる
  • 肉や魚を控えがち
  • 調理が負担   といった理由でたんぱく質不足に陥りやすくなります。

たんぱく質が不足すると、

  • 代謝機能の低下
  • 内臓脂肪の増加
  • 筋力低下    などが進み、脂肪肝の悪化を助長することにも。

肉や魚、卵、大豆製品をしっかり意識して取り入れながら、食事が難しい日は必要な分をプロテインなどの補助食品で補うのも方法の一つです。

肝臓を守るためにも、今日からたんぱく質を意識してみましょう。

🟦 まとめ|脂肪肝を防いで健康寿命を延ばそう

脂肪肝は自覚症状が出にくく、静かに進行してしまう病気です。
見逃して放置すれば、10年後には糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など命に関わる重大な病気の入り口になりかねません。
さらに、脂肪肝は30〜40代の男性、50〜60代の女性にピークがあり、飲酒習慣に関係なく、糖質過多や代謝の低下によって誰にでも起こり得ます。

今日からできることは、まず糖質の摂りすぎを見直し、肝臓の修復材料となるたんぱく質をしっかり補うこと。
小さな習慣の積み重ねが、将来の健康を守る第一歩になります。

🔹🔹肝臓のためにたんぱく質を🔹🔹

高齢になるほど、食事だけで十分なたんぱく質量を満たすのは難しくなります。
肝臓の修復や代謝維持には継続的なたんぱく質摂取が欠かせません。

食事が進まない日や食が細い人は、補助としてプロテインを活用するのも一つの方法です。
身体に負担の少ない設計の高齢者用プロテインを選べば、無理なく栄養を整えられます。

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肝臓を労わり、将来の生活の質を守るためにも、ぜひ役立ててください。

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